【響け! 情熱のムリダンガム】音声ガイド収録開始@シネマチュプキタバタ
音声ガイドを聞きながら、映画鑑賞をしたことがありますか?
なんどりから一番近い映画館である、シネマ・チュプキ・タバタは、「日本初のユニバーサル・シアター」です。
”聴覚や視覚の障がいがある方、車いすが必要な方、子育て中の家族など、さまざまな理由から劇場に行くことをためらってしまう人が安心して映画を楽しめるように”
ー早稲田大学校友会 サイト記事より
という考えのもとに、映画館を運営されています。そして、何気なくものすごいことに、ここで上映されている映画には、すべて音声ガイドがついています。元々音声ガイドが作られていなかった映画には、チュプキですべて音声ガイドを新規作成して上映しています。
音声ガイド基地みたいなミニシアターなんです。
音声ガイドって視覚の障がいがある方にはもちろん、視覚の障がいのない方が聞いても、ものすごくいいんです。
私もチュプキで映画を観る時は、だいたいいつも音声ガイド付きで観ています。
洋画の「音声ガイド」
洋画の「音声ガイド」は、次の二つからできています。
- 「字幕読み上げ」〜日本語字幕を読み上げる(鑑賞している時は、元の原語の音声も聞こえます。「ボイスオーバー吹き替え」とも言われますが、日本語吹替版上映がお好みの方にもバッチリです。)
- 「ナレーション」〜映画の画面の状況を音声で説明する(観ているだけでは頭でスルーしてしまうかもしれない、何気ないディティールまで言語化して説明してくれるので、ハッとする瞬間が多いです!)
チュプキ上映で「音声ガイド」をつけたい
【響け! 情熱のムリダンガム】は、絶対にチュプキの音声ガイドをつけたかったんです。
太鼓の映画だし、チュプキのおなかにまで響く音響で鑑賞したら、スクリーンが見えない方にもきっと伝わる作品だと思うし。
小さなお子様連れのご家族も、大人は字幕版で楽しんで、お子様は音声ガイドを聞くことで、吹き替え版として鑑賞することも可能。
なので、チュプキに上映の快諾をいただけたのは本当に嬉しかったですよ〜。
当初、チュプキの上映の時だけの音声ガイドを想定していましたが、チュプキさんがこの映画に対してもかなりノリノリになってくれており、封切り劇場になるシアター・イメージフォーラムでも聞けるようにしてはどうかと提案してくださいました。
その延長で、もっと話は大きく、全国の劇場でも聞くことが可能になる音声ガイドアプリ「UD Cast」対応で制作することになりました。
制作上の都合で、10月1日からの上映は、「字幕読み上げ」の音声ガイドに対応します。
11月1日からの上映では、「ナレーション」も含めた音声ガイドに対応します。
「字幕読み上げ」収録の現場
9月10日〜11日で「字幕読み上げ」収録の現場に、ちょこっと立ち会いに行ってきました。
以前、【ムトゥ踊るマハラジャ】の字幕読み上げの収録の際も見学させていただきました(↓)
【ムトゥ】収録当時はコロナ情勢になる前で、とても賑やかな空間でした。ですが今回はコロナ対策として、収録は原則ひとり又は2人ずつで決められた時間にそれぞれチュプキに来て、自分のパートを集中して録音しているのだそうです。
あとは音声ガイドのキャスティングディレクターも務めるSさんと、録音のチュプキ代表の平塚さん。
なんどりの昼営業後、シネマチュプキタバタでの『響け! 情熱のムリダンガム』音声ガイド収録見学に。1曲目の歌詞とピーターの友達役の字幕読み上げをやってました。この映画にチュプキさんの音声ガイドを当てられるの、めちゃくちゃ嬉しいです!(UD Castも対応しますよ〜) よろしくお願いします🥰 pic.twitter.com/ZteM5aZknY
— 映画『響け! 情熱のムリダンガム』公式🇮🇳10/1公開 (@mridangam_movie) September 10, 2022
9/10におじゃました時は、ハリとヴェルのパートでした。
9/11におじゃました時は、ピーターと師匠ヴェンブ・アイヤルのパートの収録中。
『ムトゥ踊るマハラジャ』の音声ガイドでムトゥ役をやってたNさんが、今回はヴェンブ・アイヤル役! 台詞の質問攻めにあいました。
Nさんとラジニ映画ばなしもできて嬉しかった(パダヤッパとかヴィーラとかチャンドラムキとかバーシャとかアルナーチャラムとか〜!)https://t.co/Mv81WTJeG0— 映画『響け! 情熱のムリダンガム』公式🇮🇳10/1公開 (@mridangam_movie) September 11, 2022
終了後も、少し平塚さんとピーター役の方とお話しましたが、自分の中で言語化されていなかったピーターのことがここでもはっきりしてきました。
あ
ピーター役の方「ピーターは本当にピュアな人物だから、それが伝わるよう意識しました。読み上げる自分はもともとどちらかというと暗いけど、ピーターは明るいから、自分の中の暗さが出ないようがんばりました」
平塚さん「ピーターはまっすぐで皆に愛されていて、応援されるキャラだから、字幕読み上げ音声(ピーターの台詞の声)でもそれが伝わるかが重要」
実際、収録の最初の方では、「声がちょっと暗いのでもっと明るく」、とNGが出ていたんだそうです。
音楽シーンの「日本語歌詞朗読」
台詞部分もよかったんですが、歌のシーンの歌詞日本語字幕朗読、聞きどころだと思いました。タイトル曲の「Sarvam Thaala Mayam」の朗読は特におすすめしたい。タミル語原語の響きやリズムももちろん楽しめて、日本語の内容も耳に入って、気持ちよくピーターの旅の画面に集中できます。
読み上げって奥ふかいですね。
チュプキと、チュプキに集まる音声ガイドの皆さん、本当にアツいです。皆さんのお力添えも得て、【響け! 情熱のムリダンガム】日本上映がパワーアップしていくのを感じます!
どうもありがとうございます。
今後は、ナレーション部分の検討会が続きます。私も監修(?)として参加します。
チュプキの音声ガイドの話がドキュメンタリー映画【こころの通訳者たち】として、【響け! 情熱のムリダンガム】と同じ時期に公開です。
ぜひ、こちらもご覧くださいね!