PAL方式のインド映画DVDの再生について

わなっかん!

たまにですが、当店で取り扱っているDVDで「PALですか?再生できますか?」というご質問をいただいたり、
「購入したDVDが再生できないんですが」と来店いただいて、お客様と一緒に再生確認をしてみるとそれがPAL方式のDVDだったり(当店では再生できます)、
といったことがございます。
現在は配信で観ることも多く、新作DVDがそもそも発売されにくいから情報が減った、というのもあるのか、PALとNTSCについてご存知ない方もいらっしゃるようです。インド映画の円盤を日本製以外のものでも欲しくなった際には、ご購入の前提の知識として必要かと思いますので、ちょっと説明してみますね。

通販サイトに載せていた商品でいうと、

とか、

とか。

そうなんです、PAL方式のDVDは、ふつうには、日本のDVDプレイヤーでは再生できないんです。気をつけてくださいね。
でも、パソコン(のDVDかブルーレイドライブにディスクを挿入して)で観ていただく分には、全く問題ありません。
または、時々ネット通販やドン○ホーテさんなどで売られている海外製の格安プレイヤーでも、PAL方式に対応していることもあり(PAL方式対応の旨明記されていないことが多いので、メーカーに確認した方が確実です。)、それを購入して見る、という手もあります。

世界のテレビ放送方式は、大雑把にいうと3種類あります。
NTSC(アメリカ方式)…日本、アメリカ
走査線数525本を30フレーム/秒で再生し、ピクチャサイズは720 x 480
PAL(ドイツ方式) …イギリス、インド、マレーシア、シンガポール
走査線数625本を25フレーム/秒で再生し、ピクチャサイズは720 x 576
(他に、SECAM(フランス方式)がありますが、ここでは割愛します。)

DVDはおおよそ、製造国の放送様式に準じて作られてきました。再生の際に互換性がないので、PAL形式のDVDは、基本的に(NTSC方式で再生する)日本のプレイヤーで観ることはできません。
ただし、NTSC方式の国がPAL方式のソフトを出すことはほとんどありませんが、PAL方式の国が世界向けに販売することを想定しているのか、NTSCで発売していることもあります。特にDVDの生産量が落ちた近年は、海外で生産されるインド映画DVDはNTSC方式が多い印象があります。

まとめると、PALのDVDは日本では一般的には再生ができませんが、見る方法自体はあります。

  1. パソコンで観る
  2. PAL方式対応のプレーヤーで観る

PALの他に時々話題になる言葉で、リージョンコードというのがあります。

リージョンコード(Regional Code)
DVD-Videoの規格を策定する際に、著作権保護のために映画業界の要望によって導入された再生地域制限のシステム。世界を6つの地域に分け、日本製のDVDは通常「2」で設定されています。また、日本で発売されている一般的なプレイヤーでは、リージョン「2」のDVDしか再生できません。
ただし、インド映画DVD輸入盤は、ラッキーなことに「0」(ALL;リージョンフリー)であることが多いので、あまりこの点に関しては気にすることなく再生できます。

以下、南インド・タミル映画の旧作DVDで目にすることが多い生産国でまとめてみた表です。

日本 インド マレーシア シンガポール 英国 米国
放送方式 NTSC PAL PAL PAL PAL NTSC
リージョンコード 2 5 3 3 2 1

もう一度、大事なことなので繰り返します。PAL方式のDVDを観たい場合は二つの方法があります。

  1. パソコンで観る
  2. PAL方式対応のプレーヤーで観る

パソコン?そんなのないよ!、という方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、です。インド映画の沼にはまると、PAL方式でしか再生できないディスクが入用になったりすることはもちろん、DVDや配信すらなく、「VCD」でいいから欲しい!という事態もありえます。「VCD」まで買う覚悟ができた場合には、パソコンの購入を強く!おススメします。
(「VLCプレーヤー」といった、VCD再生対応のアプリケーションをダウンロードすれば、DVD/BDドライブにディスクを入れて視聴可能です。)

VCDは、日本では全く流行りませんでしたが、DVDが廉価になる前に東南アジアやインドで主流でした。(2010年前後の頃まで)
これを書いているわたしが、タミル映画に限っても、VCDしか発売されなかったけど今でも宝物にしている作品がいくつもあります!

ノートパソコンじゃ、画面が小さいし、映画が鑑賞しにくい、という方は、外付けモニターやプロジェクタで投影するというテもありますよ♪

おそらく、ここのサイトまで流れ着いてこのページを読んでいる方は、既にインド映画の沼に沈み込んだファンである可能性が高いと思いますので、ぜひ、この障壁を乗り越えて!さらなるインド映画ワールドを体感してほしいと思います。

余談;

写真上段左はVCD,
下段左はPALのDVDです

※数年前の入荷案内時の写真です。現在、上段右の【Viswaroopam】・下段左の【Nanban】・下段右の【Enthiran】(ACD)は売れ切れ、再入荷の見込みは限りなく低いのでご了承ください。

ヴィジャイの【Theri】は、当店では当初、シンガポール盤(PAL)を売っていました。その後、マレーシア盤(NTSC)も販売しました。PAL盤で先に購入された方は、不便、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、上記でも数値で紹介しましたとおり、PALはNTSCよりも走査線数が多く、その結果画質がNTSCを上回ると言われています。
【Theri】もちょこっとですが、シンガポール盤の方が画質がいいような気がします。(ついでに言えば、DVDジャケットもシンガポール盤の方が好みです。マレーシアとシンガポールで検閲上、劇場上映時間も違っていたのでDVD収録時間も違います。わたしは、クレイジーなヴィジャイファンですので、当然、バージョン違いとして両方とも宝物にしておりますが。(笑))

左:シンガポール盤
右:マレーシア盤

左:シンガポール盤
右:マレーシア盤


なので、ぜひシンガポール盤もご愛顧いただけたら幸いです。


↑ ゴメンナサイ、たぶん今後入荷見込みは低いです。マレーシアで発売されたDVDでは、ヴィジャイの一番最後の映画になりました。。。(現在、マレーシアでDVDは生産されておりません。現地の店で新作ディスクが発売中となっていたら、ほぼ確実に海賊盤ですのでご注意を。)

↑ 2年半前のツイートですが、在庫僅少の【Kaththi】以外は全て、現在ほぼ再入荷見込みなしです。お買い上げいただいたみなさま、楽しんでいただけているでしょうか?重ね重ね、当店でのご購入、ありがとうございました!

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